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                                05-03-03
        ドイツの古城    〜歴史の旅
       【第12号  プファルツグラーフェンシュタイン城】
                      http://burgen.nce.buttobi.net/
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○はじめに

 みなさんこんにちは,発行人のぺんたです。みなさんは,ドイツに一体いくつ
の城があると思いますか。1万とも2万とも言われています。
 どの城にもその城の歩んだ歴史がありますので,それをみなさんに紹介します。

 第12号は,ライン川中州に立つ,プファルツグラーフェンシュタイン城です。
単にプファルツ城となっていたり,ファルツ城と表記されていることも多いです。
グーテンフェルス城とセットで写真に撮られていることが多いですね。ライン川
下りのあるツアーで見れる城なので,見たことのある人も多いと思います。


○お知らせ

 ついに日本に帰任することになっちゃいました(T-T)。ドイツとはお別れです
が,ドイツの城のHPもMMもまだ続けていくつもりです。引越しのため,また次回
発行まで間が開いてしまいますが,引き続き宜しくお願い致します。


●プファルツグラーフェンシュタイン城(Zollburg Pfalzgrafenstein)

 13世紀前半,シュタウフェン朝のミニステリアーレの家系であるファルケンシ
ュタイン・ミュンツェンベルク家の所有地でした。
 1277年にフィリップ二世・フォン・ファルケンシュタイン・ミュンツェンベル
クはカウプとカウプのブルクと関税権をプファルツ伯ルードヴィッヒ二世(ヴィ
ッテルスバッハ家)に売却しました。この売却以降,ここは歴史的にバッハラッ
ハと深い関係になり,19世紀初頭までヴィッテルスバッハ家のものになります。
 1327年春,プファルツグラーフェンシュタインを建てて,通行税を取り立てる
ようになります。6階建ての5角形の塔です。入り口は3階にありました。尚,
このころの航路は城のカウプ側のみでした。
 税金を取り立てるようになったため,教皇ヨハン22世と国王ルードヴィッヒ・
デア・バイヤーが対立。1327年6月23日に教皇は国王ルードヴィッヒを破門しま
した。
 しかしそのような抗議は役に立たず,1338〜1342年頃,ルードヴィッヒは更に
ブルクを拡張,強化していきます。塔の周りに平均12mで歩廊付きの防御機能が
ある環状城壁を造ります。
 1754年12月20日,朝9時,プファルツグラーフェンシュタインのバッハラッハ
側より火災が発生。職人,市民や兵士によって数時間後に鎮火されました。1755
年に再建作業がプファルツ選定候の下に行われました。
 ナポレオン解放戦争時,ブリュヒャー・フォン・ヴァールシュタットは1814年
の正月の夜に小船を用意し,2日〜5日にかけてその船で即席の浮き橋を造らせ,
シュレージエン陸軍兵士83800人と312本の大砲と共にライン超えをしました。
 1803年にプファルツはナッサウ公国に属し,1866年にプロイセン王国に属して
いました。
 1867年に関税業務を止め,1946年からはラインラント・プファルツ州の管轄下
にあります。

 プファルツグラーフェンシュタイン城は,マルクスブルクと同様に,戦争行為
による損傷や破壊を受けていないライン川の城です。


所在地
 Burg Pfalzgrafenstein 56349 Kaub
 Tel. 0172-2622800

ガイド申し込み
 Tel./Fax. 0180- 5221360

開館時間
 聖週間〜9月30日は10:00〜13:00と14:00〜18:00
 10月1日〜11月30日は日曜日のみ10:00〜13:00と14:00〜17:00
 1月1日〜イースター前の日曜日は日曜日のみ10:00〜13:00と14:00〜17:00

休館日
 月曜日と12月

 島へ行く船はカウプ側から30分ごとに出ています。(城しかない島に行くんだ
から,城の入場料と一緒にしてしまえば良いのに,なぜ城の入場料と船賃が別な
のかと,いつも疑問に思う。)


●超手短探訪記

 島に下りると,河原の石の形が日本のそれと違う。流れの違いが石の形にも現
れている。平べったい。日本のは丸いよね。

 入場料を払うと,係りの人からドイツ語が良いか英語が良いか聞かれた。いつ
も通りダメ元で,

「ヤパーニッシュ(日本語)」

と答えたら,「ちょっとドイツ語が混じるけどね。」と言って,日本語のガイド
用紙を貸してくれました(終わったら返す)。確かに,所々訳しきれてないとい
うか,適当な訳語がなくてドイツ語そのまんま。でも城内の案内看板はドイツ語
だから別に良いかも。

 用紙を見ながら,

「Nr.3 ここにカタパルトと弾丸が置いてあります。(以下略)」

カタパルトと弾丸がおいて“あります”。あります,……(・_・)
ないよ〜っ!現在形で書くなーーーっ!!
と,思わず突っ込みを入れたくなった。

 ベルクフリートを登る螺旋階段は狭くて人一人通るのがやっと,しかも急。細
い人なら何とかすれ違うことが出来るかもしれないけれど,おっきなドイツ人が
来たりすると,戻れ〜!!しばし待つ。団体さんが来ると,また待つ待つ待つ。

 展示してある武器は,湿気のせいか錆錆だったなあ。



○基本用語
 ブルク(Burg)
    城砦。中世騎士の時代に主に建てられた,軍事機能に重きを置いた城。居住
    性に乏しい。

 ベルクフリート(Bergfried)
    塔。城を特徴付ける基本構造の一つ。時に天守と訳されている。入り口は地
  上数メートルの所にある


○あとがき

 これが出産前最後のMMと,前号を発行した次の日,まさか産気づくとは思わな
かった。育児の方もだいぶ慣れてこれからと思ったら,今度は引越しですと!!
乳飲み子を抱えての海外引越し……,不安だ。(T^T)

 日本を去るときは,「また戻って来れる。」と思っていたからなんとも思わな
かったけど,ドイツを去るとなると,「日本に帰れるのは嬉しいけど,もうドイ
ツには来ないかもしれない。」と思うと非常に悲しいですね。またドイツに来れ
るかな。

 と言うわけで,育児と引越しの準備の合間になんとか発行しました。次号は引
越しが終わって,そこそこ落ち着いてからになりますでしょうか。


やっぱりいつになるか分からんけど,次号予定,モーリッツブルク(ハレ)。
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    発行人:ぺんた
    サイト:http://burgen.nce.buttobi.net/
    ※ご意見・ご感想・間違いの指摘等,お願いします。
  ※旅行相談はお断りいたします。

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